うつ病とは… 脳という内臓の過労状態による脳機能の障害=脳のストレス障害で、体の症状と気分の症状がみられます。
脳の機能障害とは…
脳内ホルモンのドーパミン・セロトニン・メラトニン・ノルアドレナリンなどのアミン代謝の障害の結果、感情・欲動の障害や睡眠の障害、自立神経障害や内分泌障害が起こりうつ状態(意欲がなくなったり、活動しにくくなったり)になります。
どうしてうつ病になるのでしょうか?
なりやすい性格傾向があり、引き金となる環境変化や状況があり、過度なストレスがあると相互作用によってうつ病になると言われています。
主な症状は…
「心の不調」と「体の不調」がある1.身体の不調 → 頭痛、腹痛、筋肉痛、下痢、便秘、肩こり、だるさ、重苦しさ、じんましん、 発汗、のぼせ(自律神経系の症状)など
2.睡眠の変化 → 寝つきが悪い(入眠障害)、寝ても目が覚めてしまう(中途覚醒・早朝覚醒)、
寝過ぎてしまう(過眠)、寝た感じがしない(熟眠障害)など
3.食欲の変化 → 食欲がない(食欲低下)、味がしない、食べ過ぎてしまう(食欲亢進・過食)など
4.体重の変化 → 1、2ヶ月で2~5キロの体重増減がある
5.気分の変化 → 意欲がない、楽しめない、落ち込み、憂うつ、倦怠感、疲労感など
カウンセリングでは1.2.3症状が確認できて、2週間以上続いている場合はうつ病の可能性があるため、医療機関の受診を勧めています。
ご希望があれば、心理テスト(SDS・BDI-Ⅱ)でうつ状態の検査を承ります。 特徴は…
1.半数近くの人が朝に重たく、夕方になると軽くなる傾向(日内変動)があります。
2.「死んでしまいたい気持ち」や「消えてしまいたい気持ち」など死にたくなります。
自殺願望はうつ病の症状です。初期と回復期に最も危険性が高いと言われています。3.再燃(症状のぶり返し)や再発(治ってからまた症状が現われる)しやすい病気です。
=自己判断で治療を中断してしまったり、がんばりすぎてしまったりします。
治療は…
充分な休息と薬物治療が主な治療方法です。薬物で症状を改善し、自己治癒力を高めていくことが治療につながっていきます。適切な治療を早期に行うことが重要です。また、心理療法で認知行動療法(CBT)や対人関係療法(IPT)に取り組むとさらに治療の効果が期待され、再発防止になると言われています。
薬物治療について
1.抗うつ剤はうつ病の治療薬で減少した脳内ホルモンの働きに作用します。
2.喉の渇きや便秘などの副作用を伴いやすい三環系(アモキサン、トリプタノールなど)、
四環系(ルジオミール、テトラミドなど)と副作用が少ないSSRI(バキシル、デプロメール、
ジェイゾロフトなど)、SNRI(トレドミン、サインバルタなど)、
NaSSA(リフレックス、レメロンなど)の5種類があります。
・SSRI=選択的セロトニン再取り込み阻害薬
・SNRI=セロトニン・ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取り込み阻害薬
・NaSSA=ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬
3.ほぼ3人に2人は抗うつ剤が効果的と言われていますが、個人差があります。
うつ状態はうつ病だけの症状ではありません。抗うつ剤はうつ病に効果はありますが、 すべてのうつ状態に効果があるわけではありません。
4.効果が出るまで2週間から4週間くらいかかることがあります。
副作用と症状が似ている時もあるため、医師とよく相談しながら
服用を続けることが大切です。
5.少量から始め、効果を確認しながら徐々に増やしていきます。
また、良くなってからもしばらく飲み続けることが大切で徐々に減らしながら
1年から2年ほど飲み続けることになります。
6.薬には効果もありますが副作用もあります。
医師と良く相談し、自己判断で量を調節したり、
飲まなかったりしないように注意が必要です。
現在使われている抗うつ剤には依存性が認められるものはないと言われています。 問題になった「リタリン」には現在規制があり、特定疾患の場合のみの処方となっています。
回復と再発は…
治療すれば徐々に回復していくものです。一般的には半年から一年くらいで回復すると言われていますが、個人差があります。
うつ病は再燃しやすく、再発しやすいと言われています。よくなってから半年以内が最も再燃・再発しやすい時期と言えます。再発を防ぐためには、疲労やストレス過多に注意が必要です。以前と同じ様な経過で再発することが多いようです。
再燃とは症状がぶり返すことで、再発とは回復し4~6か月後に再びうつ病になることです。 新型うつ病or非定型うつ病ついて 新型うつ病・非定型うつ病と一部では言われていますが、DSM-Ⅳでは分類できない内因性うつ病=神経症性うつ病ではないかと言う見解もあります。葛藤を起こす事についてはうつ状態を示しますが、それ以外ではうつ状態にはならないことが解釈のポイントとなっているようです。
症状の特徴
- 拒絶過敏性=拒絶や批判を受けた際に明らかに過剰に意気消沈したり、怒ったり、嵐のように激しい対人関係を取り、家事や仕事上の重大な責任を放棄したり、拒絶されることを恐れ親密な対人関係を回避してしまう
- 不安抑うつ発作=夕方以降気持ちが不安定になりやすく、不安感やイライラが高まり、些細なことで切れやすくなる。自傷(リストカット)・OD(オーバードーズ:過量投与)・自殺など行動化することもある。
- 気分反応性=何か良い出来事が起こったり、人に褒められたりすると気分が明るくなり、元気になれる。
- 逆転した自立神経症状= 食欲亢進・体重増加・過眠
- 鉛様麻痺=手足が鉛をつけたように重くなった強い疲労感
20代、30代の若い人に多く、「自分の能力が正しく評価されない、努力が報われない」といった不満や挫折感を抱いているタイプで、「わがまま」「怠けている」と考えられやすいと言われています。
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