対人関係療法(Interpersonal Psychotherapy: IPT)は「対人関係のストレスを解決する治療法」であると同時に「対人関係の力を活用して治していく治療法」です。もともとはうつ病の治療のために開発された心理療法ですが、摂食障害、双極性障害、社交性不安障害、PTSDの治療でも効果が認められています。
対人関係療法では、身近な対人関係に注目し、効果的な自己表現を行うことや、コミュニケーションスキルの向上によって、日常生活におけるストレスを軽減させることを目標とします。身近な対人関係の問題に対処する事で、病気の症状への対処も可能としていく心理療法です。
対人関係療法は期間限定の短期療法で、12回~16回で終了になります。根拠に基づく心理療法であり、アメリカ精神医学会の治療ガイドラインでもうつ病に対する有効な治療法として位置づけられています。薬物療法とも同等の効果が示される研究や、認知行動療法よりややすぐれた効果がみられたと言う研究もあります。